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店から見える光景は、大勢の人とイルミネーション。
雪は降っていないが、寒そうに歩く人を見るだけでこちらも寒くなる。
「もう八ヶ月か」
外を眺めながら呟く拓海。
「ん?あぁ、そうだな・・・」
そう返すことしかできない。
自分からこのような結末を望んだというのに、こんな未練たらしい自分を見せるわけにはいかないのだから。
しかし拓海は。
「後悔・・・してんだろ?」
「え?」
あまりにふいを突かれた言葉に、俺はうまく反応できなかった。
「なんで・・・そう思うんだ?」
「長い付き合いだからな。見てたら分かる。お前は分かり易いからな」
分かり易い拓海に言われたら世話ないな・・・。
やっぱりこの男には敵わない。
心の底からそう思う。
「お前の言うとおり、後悔はある。けど、どうこうしようって気がないのも確かなんだ」
「このままでいいと?」
「あぁ、俺はもう何もしない」
「そうか」
俺の言葉に、拓海は少し残念そうに呟いた。
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