レイトン教授への招待状

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夜、8時30分。 開演まであと30分。 シアターの舞台裏の楽屋には、ジェニスとデスコールがいた。 「...ジェニス」 「何? お父様」 「今夜は、特別なお客を招待したよ」 デスコールは、マントの中から招待状を取り出す。 「誰なの?」 「考古学専門の大学教授、エルシャール・レイトンさんだ」 「彼は、謎解きが好きだと聞いたものでね......」 「レイトン?」 「彼を知っているのかい? ジェニス」 「ええ。一度だけ、大学で講座を取ったことがあるわ」 「そうか......」 8時40分。 デスコールは、懐中時計を確認した。 「準備はいいかい、ジェニス?」 「ええ」 「では、私はそろそろ舞台に上がるよ」 「すぐに呼びにくるから、待っていなさい」 「はい、お父様」 デスコールは、黒いマントをひるがえして部屋を出て行った。
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