追っかけ

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降りてすぐの改札口を出た。 この時点で緊張しすぎてタバコが吸いたくて仕方なかった。 待ち合わせきっちりに着いた電車だったからタバコ吸う時間はない。 すぐに携帯が鳴る。 「着いた?」 着いたよと返事をすると駅の外で待ってるとの事。 足早に階段を降りて外に出るとタバコをふかしながら、遠くを見つめる人が一人いた。 小さい駅だからあまり人がいない。 目があったら一発で彼だとわかった。 しゅんは無邪気な感じに笑って見せた。 可愛い笑顔だけど、明るい髪にあの目つきを見れば誰だってそっちの人だってわかる。 けど、あたしには素敵にしか見えなかった。 とりあえず、我慢してたタバコを手に取り吸い始めた。 あたしのタバコのメーカーは可愛くない。要するにおっさんタバコだ。 それを見てしゅんはまた無邪気に笑った。 はじめましてから始まり、あたしたちは歩き出した。 しゅんの言っていた公園へ向かうようだ。 まだ肌寒いけど桜が綺麗だよ~と笑うしゅんは輝いて見えた。 歩く早さは彼が合わせてくれた。 そんな些細な事が嬉しかった。 あたしはこの時点ですでに恋に墜ちていた。 初恋の時よりリアルな感情。 とても心地が良かった。 ただ、彼がヤクザがらみとゆう事が引っかかっていた。 さりげなく聞いてみる事に。 「仲間から聞いたんけどヤクザとからんどるん?」 「あっはっはー!それ誰から聞いたん?んなわきゃないろ。ただ知り合いがヤクザのてっぺんなだけだよ」 「えっ…それってどうゆうこと?しゅんはヤクザなの?」 キョトンとするあたしの頭をポンポンと軽く叩いて歯をニカッと出して笑った。 「まぁヤクザっちゃぁヤクザだけど、俺は曲がった事が嫌いだっけに変な事はせんよ。」 正直に真っ直ぐな言葉はあたしに突き刺さった。 恐い。 正直、そう思った。
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