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1時過ぎの新幹線は連休最終日とあって、やはり電車同様に混雑していた。
そんな事は気にしない。
たかが1時間だ、喫煙者の為に用意された狭い牢獄でタバコふかしていれば関係ない。
新幹線は西へ向かっていく。
少し見慣れた風景を眺めながらタバコをふかす。
煙が目にしみる。
軽い嗚咽をコーヒーで流し込む。
広島を出てからは、トンネルばかり。
その度に写る自分の顔をただ眺めていた。
アナウンスが流れる。
「間もなく小倉です。」
ガサッと花束を掴むと出口に向かった。
25本の百合の花束は汚れのない真っ白さを燦然と輝かした。
スーツの紺に更に映えるように。
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