橘みずき

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「やっぱり野球は辞めるのか?」 亮の顔が少し真剣になったので、俺も少し真剣な顔つきになった。 「……ああ、野球は中学までって親にも言われてるしな」 俺はまたその話か、と言わんばかりにそう答えた。 「社長の一人息子は大変だな」 「……まあな」 俺の父親はIT企業の社長。 そして俺はその一人息子。 だから親父には勉強しろってしつこく言われていた。 だから中学まではやらしてくれと親父に懇願した。 そしてそれのタイムリミットが来た……それだけの事だ。
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