雨の日の本屋にて~美穂子サイド~

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「そういえば 青っち 公募受けるやんな」 「まぁ、そうやけど なんと言うか運良く受かったらめっけもん的なノリやからな~」 受かる可能性は皆無なようなもんさっ 「南は結局どうするん? 公募」 「うちはまだ迷ってるんだよ」 「 そっか でも早く決めなかったらやばいでっ 期限迫ってるし……」 うちが南をせっつくように言う。 「う~ん そうだよね」 「眠い てか、早く帰りた~い 午後の授業マジいらん~」 カズコが脈絡もなくうんざりした表情で言う。 「そうやな~ でもどうせ~ 家帰っても塾籠もるしな」 正味意味ないって 「青っちえらいね~ 塾に籠もるとか」 南がうんうんといった感じで言う。 「でも あんま進んでないからな~ あかんな~」 「やっぱいろいろ大変やな」 カズコがそう言った直後チャイムがなる。 「あっ 鳴ったから 住処(自分のクラス)に帰るわ」 「さようなら青っち さようなら」 「………南 そんな永久の別れみたいに言わんとって」 南ワールドに苦笑(うちも人のことは言えない)しつつ教室を出る。 ハァ もう公募まで日にちないな― もうそろそろ逃げに逃げていた過去問やろっかな?
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