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飛んでいく小鳥を見送って、
「残念だったね」
と声を掛けた。
すごく悔しそうにした後、子猫は別の食べ物を探しに駆けていく。
既に三日。
こんなやり取りが続いていた。
助けた時のケガは大した事は無かった。
けれど、地面にぶつかって後ろ足が動かなくなってしまって以来、子猫は付きっ切りでエサを探しては持って来てを繰り返していた。
正直なところ、自分よりも痩せていく子猫の方が心配だった。
せっかく助けたのに、先に死なれては困る。
今度あの子が持って来たら、自分でお食べと言ってあげよう。
自分より未来のある子を、死なせてはいけない。
あぁ、ほらまた。
あの小さな足音が…。
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いぬ視点。
やさしすぎるいぬと、必死なねこ。
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