ねこといぬ。

5/5
前へ
/5ページ
次へ
ぐるりと音がしたのを、私は聞き逃さなかった。 目の前には小さな肉片がひとかけら。 子猫が探してきた精一杯のご馳走だった。 「たべてください…」 そう言った子猫の体は、肋骨が浮き上がるくらいにやせ細り、今にも倒れそうな程足元がふらついていた。 他の猫と喧嘩したのか、至る所に傷跡もあった。 もう、堪えられない。 「お食べ。私はもう満腹だから」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加