Burial<Prologue>

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-キミへ- あの頃に戻れるなら戻りたい… キミに必要とされてて、誰より何より大切にされてて 大切に想えて…『だいすきっ』 そんな言葉がお互い自然と言えてた…そんな あの頃に… 戻れる訳なんかないけれど… いつだったかな…? もう『誰かを好きになったり、愛したりしない』 そう決めて生きてきていた… 時は巡り季節は変わり…幾年月が流れても… 時間軸に繋がる過去と今と…『これから』と… その『これから』がどんな意味を持つのだろう…? わからないなあ… 時々、想う『どうでもいい』って ずっと前に決めたこと 生きることさえ『どうでもいい』って… キミがいない時間の方が、キミと居た時間より永くなった… 振り返れば、昨日のことのよう…目覚めたらキミの顔が傍にあるようで…なんて考えたり… だけど目覚めても独りの部屋に独りの時間だけが過ぎてゆく… 『さようなら』のない『別れ』だったから… 誰かの言う普通の恋愛とか別れとかじゃないから… よりいっそう、人の言う別れってやつがわからない…僕らは、別れてなんかないよね… あゆのHANABIの詞 『キミのこと思い出す日なんてないのは、キミのこと忘れたときがないから…』 そう、忘れたときなんてないから…忘れられないままで… かつての夢さえも忘れられない… あきらめることが、自分自身の償いなら…あの日のことも、あきらめなきゃならないのかな? あきらめきれないから…何度も繰り返し想うんだ… 僕の犯した罪だった… あの日、ちゃんと迎えに行くべきだった… そしたら…きっと…いまは違ったものになっていただろう… キミと僕の夢があったから 二人を繋ぐ大切な大切な想いが途切れた…あの名残雪に舞い散った紅い華ビラ… キミの涙とともに… 僕はきっと…キミ以上に誰かを愛したりしてはいけなかったんだ… 未だ残す未練に似た愛しさが胸にあるから… ごめんね…許してね… もっとも、もう愛される自分はいないけれど… Burial_埋葬して来た過去がある それは、真っ白な雪だけが記憶したStory -Burial- 須らく看よ…
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