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「なにしてるんだ?セネア、ユーグ」
宿の中に入ると仲間たちが不思議そうな視線を私たちに向けた
私たちは旅の途中だった。
私を迎えにきた一団とは一時的に離れ私と彼女を含んだ少数の仲間たちとで旅をすることになったのだ。
それは彼らの目的の一つを果たすためと彼らの目的を私に教えるためだった。
彼らの手を取ったとはいえ私はまだ完全に仲間とはいえないというのが彼らの考えだ。
彼らと行動をともにし彼らの目的を知れば仲間としての自覚もでるだろうという考えらしい。
要するに彼らにとって私はいまだに危険分子たりうる余所者というわけだ。
彼らはその名の通り神の戦士として戦うことが第一目的だった。
その相手は自然発生した化け物のたぐいであったり人の理からはずれ人々の脅威になった元人間であったりした。
世界が無数にある以上至高の存在である神であっても万能ではないのだと彼らはいった。そのために自分たちがいるのだと。
彼らの目的は他にもあるそれは私のような仲間候補の勧誘だ。
敵がいつどこに現れるかわからない以上仲間は多いに越したことはないらしい。
たが、今回の旅は先の二つのどちらでもない目的のためだった。
今回の旅の目的、それは神具の捜索だった
それは彼らの三つ目の目的だった。
かつて神から人々にもたらされ人々を守る道具として重宝がられながら長い年月が経つと共に存在を忘れ去られた至宝、それが神具だ。
少なからず神の力を宿すそれは彼らの力になる存在だった。
そのために彼らはそれを求めた。今回の旅もそのための旅だ。
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