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瓶はボトルシップに近いが、その中身は船の模型ではない。陸地から海、集落から生物まで様々なモノが細かに作られていた。街をそのまま縮小したようなモノから、漫画やアニメに出てくるようなモノなど種類は様々。
「いらっしゃいませ」
声をかけられた方を見てみれば、一人の男性がそこにいた。
レトロな場所に似合いそうな人というか、やせ気味の体型に片眼鏡をつけたその男性は、一礼して俺を見る。
「いや、客で来たわけじゃないんだけどさ。さっきここに女の人が来なかった?」
男が少し考える仕草をすると、ふと思い出したように手を叩く。
「ああ、もしやこんな人ではありませんでしたか?」
そっと、男が自分の顔を片手で隠す。流れる動作でその手が顔から離れた瞬間。
男の顔が姉貴のそれに変わっていた。
――は?
ちょっと待てよ。どこのマジシャンだよどこの漫画だよどこのアニメだよ!?
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