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商店街をただ一人で歩く。
道行く人々をただ眺め歩くだけというのも、もう慣れたものだった。たまに知り合いを見つけて駄弁ることもあるが、それも少しの間だけ。
少し年上の女性を見かけたらふと足を止めて。
髪が長い女性だったら少し目で追ってしまい。
結局姉貴じゃないとため息を吐く。
「我ながら救いようがないな、おい」
そんな事の繰り返し。
このまま帰るというのも選択肢の一つとしてはあるのだが、帰ったところでやることがない。
だから、結局無駄なんだろうけれど俺はただここを歩いている。
夕飯の買い出しをしている主婦、学校帰りの買い食いを楽しんでいる学生、相変わらずの光景だ。
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