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「姉貴!」
その後ろ姿、その髪。間違えるはずがない。
俺の姉貴だ!
人の流れに逆らって姉貴を追うが、思うように進まない。その間にも、姉貴は先に行ってしまう。
人と肩をぶつけた。だが、謝るのも忘れて再び足を動かす。
ただ必死に、姉貴だけを見て走る。
姉貴は商店街を抜け、とある建物の中へ入っていった。俺も後を追って、その中へと入っていく。
「姉貴、どこに……」
中はレトロな雰囲気の内装だった。
薄暗い店内で振り子時計が時を刻み、棚にはずらりと模型の入った瓶が並べられている。看板の無い店、そんな雰囲気さえ感じ取れた。
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