行方知れずの人形と…

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めんどくせぇ依頼を受けてから、もう1ヶ月は経ったと思う 依頼主はクロス・マリアン 捜索物はアレンとかいう人形だそうだ あの老けたジジイは、国家機密だ、とか抜かして、名前と写真以外の情報は、何があっても寄越そうとはしなかった 「コムイ…」 「また随分と荒れてるねぇ、神田君?」 「当たり前だ、あんな少ない情報じゃ見つかるもんも見つかんねぇよ」 「やるって言い出したのは、君じゃなかったっけかなぁ?」 「…チッ…」 この依頼を受けると言い出したのは、間違いなく神田ユウ本人だ その理由を、誰にも明かさなかったが、周りにいる神田をよく知る人物からならば明らかで 【この人形へ今まで以上の興味を示した】 と、そんな小さな小さな、ことだった それが、ある感情から来ていることを、未だに誰も知らない 神田ユウですら、それは無意識なもの…
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