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「どうした、藤兵衛?」
その場に座し続ける三省に祐吉がそう尋ねた。
「………いや、何でも御座らぬ。では、これにて御免。」
暫らく物思いに耽っていた三省はそう言うと、その場を後にしようとした。
「待て、藤兵衛。」
そんな三省を祐清が呼び止めた。
「ここに残れ。そちと二人きりで話がしたい。相模守、祐吉。暫し外しては貰えぬか?」
祐清が言うと、祐吉と祐松は一礼し、その場を立ち去った。
「若様。話とは一体如何なる話で御座りましょうか?」
藤兵衛は祐清にそう尋ねた。
祐清は暫し黙していたが、やがて話し始めた。
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