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その夜、祐清等一行はひっそりと日知屋城を出た。
「福永二郎兵衛尉。我等が戻るまで日知屋城の守備は任せたぞ。」
祐吉は城主の福永二郎兵衛尉にそう頼んだ。
「畏まりまして御座りまする。身命を賭してこの城を守ってみせましょう。」
二郎兵衛尉は深々と頭を下げて言った。
「綺麗な満月よのう。」
舟の待つ浜辺まで辿り着いた時、祐清はおもむろにそう言った。
「藤兵衛。儂は再びこの日向の地で満月を見る事が叶うであろうかの?」
祐清は藤兵衛にそう問うた。彼の発した問いに、一同は驚きを隠せなかった。
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