日知屋城

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 二人に付き従ったのは、従兄弟の伊東相模守祐松(すけます)、八代但馬守、小松兵部大輔、佐々宇津次郎右衛門尉、平賀正哉、荒武右近丞宗代(むねより)、坪屋次郎左衛門尉、崎田摂津介、杉田四郎兵衛尉、小山田主馬正、日野将監(しょうげん)、後藤雅楽助(うたのすけ)、長倉能登守祐省(すけよし)等である。  一行は、皆一様に憂い顔であった。何故なら、彼等は或る災厄に見舞われて、こうして日知屋城まで落ち延びて来たからである………。  城門まで辿り着くと、番兵が城門を開け、一行を出迎えた。  「五郎様、十郎様!それに各々方!このような夜分に遥々都於郡から斯様な所に来られるとは、一体何事に御座りまするか?」  番兵は突然の来訪に驚きを隠せない様子で尋ねた。
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