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「……でもそれって結局、葵のこと全然考えてなかったのかもって…思って。」
「…え?」
「結局自分が責任負いたくなかっただけなんだよ。……だからわざと関係曖昧にして、お前に全部委ねて。……ほんと、ごめんな。」
そう言って、哲ははあ、と深く息を吐いた。
「……なんか…言葉にすると余計、俺ってダメな大人…。」
「………ほんと。」
うなだれる哲に追い打ちをかけるように言うと、哲が小さく笑う。
「本当生意気なガキ。」
「ガキって、言うな。」
「ガキだろ、まだ16なんて。」
「……誕生日覚えてたんだ。」
「当然。…俺とお前の年が近づく日だろ。」
「…そんな小さいこと気にしてたの?」
「……うるせー。」
自分も同じこと考えてたくせに。
わざと生意気な口をきいた。
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