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公園から出て、自宅の方へと足を向けた。
泣きすぎて痛くなった頭と冷えた体が、俺の歩みを遅くする。
ダウンジャケットのポケットに手を突っ込んで、足元を見つめながら一歩一歩時間をかけて踏み出す。
静かで暗い夜道を歩いていると、なんだかこれが永遠に続く気さえする。
でも朝が来て、この道が明るく照らされる時が必ず来る。
それと同じように、俺の心が明るく照らされる時が来るのだろうか。
たかが失恋と、笑える日が来るんだろうか。
そう考えてみても、全然ピンと来ない。
ずっと夜でいて欲しいような、早く朝になって欲しいような。
複雑な心境を抱きながら、それでも時間は過ぎて、俺の考えなんて無視して朝は来るんだろう。
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