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「でも、情報なんてのは別に関係ないだろ」
「関係なくなどない!!」
目頭を熱くして、拳を握りしめ熱く相澤が語り出した。
こうなってはテコでも相澤は動かない。
「転校生、それは神様が与えた俺たちへの希望…そして、女の子と言われれば黙って待ってるわけにはいくまい、他の男子共には先を越されては俺の人生のうちの一生の不覚になる、そのために俺たちは誰よりも早く情報を入手し、有利な状況を作り出さなければいけないんだ!!」
ハァ…とため息が聞こえんばかりの熱演を始める。
──10分後──
「──…‥であるからしてだなぁ、転校生の情報をいかにして誰よりも早く掴むかがポイントになる、そのために必要な項目の一つ目は根性…って、寝るな!!」
茅原は性格上嫌とはいえない質だからであろう、真剣に聞いていたが飛時は違う。
人の話しなど余裕で無視して寝ることができる。
現に今、腕を組んでの爆睡である。
それを見てようやく相澤は…
「っち、はいはい…わかったよ、茅原行くぜ、転校生の情報を求めてな」
「う、うん…でも、もう休み時間が…」
「関係ねぇ!!転校生の情報求めて突っ走るだけだ!!」
相澤は廊下をダッシュで駆け抜けた。
その後ろをついていく茅原。
そして、廊下を走ったことに対する注意を早くも先生に見つかり指導を受ける二人の姿。
「ふぁ~…、頑張るねぇ…あいつらも、そろそろ俺は戻るかな」
それを後ろ目に飛時はいつも通りに一組へと足を向けた。
これから起こる出来事のほんの一割も知らずに…
想像もせずに…
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