友達は体重計

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「お嬢様…今日もお食事を召し上がらないのですか?」 梨本さんが心配そうに見つめてくるけれど、構わないわ。 まったく、最近いらつくことが多いわね。 無視して鞄にお財布を詰め込んだ。 「ねえ梨本さん、わたしって太ってるかしら?」 梨本さんは驚きながらも、まあまあ、と笑いながら 「そんなことはございませんよ、お嬢様。ちゃんとお食事を召し上がってくださいね」 ふん、絶対に食べないわ。 わたし、決めたんだもの。 「じゃあ今日もお友達とお勉強会だから、遅くなるわ。帰るときに連絡するから」 わたしは鞄の持ち手をひっつかみ、すっくと立ち上がりながら言った。 「新宿駅の東口まで送ってちょうだい」
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