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そう決意した夜、正確に言えば夜明けになってから、わたしはようやく眠りについた。
そしてひとつの夢をみた。
わたしが生まれる前、まだお母様のおなかの中にいる頃にね、お父様とお母様がわたしの名前を決めている光景。
顔はぼんやりとしていて見えないけれど…二人ともとても幸せそうだった。
みんなに愛される子。
みんなを愛する子。
お母様とお父様の愛によって生を受けた子。
愛子。
そう、わたしは愛子。
みんなに愛されるさだめにある、とても幸せな子。
夢の中でわたしは宙に浮かびながら、まだ見ぬお母様とお父様を見つめていた。
愛子としてこの世界に生まれる日を待ちわびながら。
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