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「さぁ?どこだろうね?」
なにかを企んでいるような意地悪な声だった。
そして気付いた。
こいつは俺の誕生日を忘れたフリを…というか、放置プレイをしているんだ!
「もう切るからな!!」
「あ、待って。どこにいるの?」
「華塚駅に行く途ちゅ…」
「分かったよ。駅前のカフェで良い子にしてるんだよ?」
静に一方的に電話を切られた。
良い子ってなんだ?!子供扱いされてるし!
要するに駅前のカフェで待ってろ、って言ってるんだよな?
もし待ってなかったらどうなることか、そう考えて身震いした。
1年くらい前に縛られた上に…ああ、考えるのはやめよう。
そして駅前のカフェに向かう俺。
「フ、フルーツジュースです」
「…どうも」
俺のところにフルーツジュースを持ってきた男の店員は俺がフルーツジュースを頼むのがおかしいのか、変な顔をしている。
そして、静が現れるなり客の視線は静に釘付けだ。
足も長けりゃ、顔も良し。弟同様の王子様のようなオーラを醸し出していて、もうモデルのようだ。
視線が静に向いてるのが気に入らない。これは嫉妬。
「良い子にしてたんだね」
みんながうっとりするような笑みを浮かべ、俺の前に座った。
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