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「じゃあ僕も頼もうかな」
静は店員を呼んでコーヒーを頼んだ。店員は静にコーヒーを運んできた。
「…お前がよく分かんない」
ボソッと言ったつもりだったのに、静はばっちり聞いていた。
「そう?僕は好きな子はいじめちゃうだけだよ」
そんなことを言って微笑んだ静はポケットから小さなラッピングがされた箱を俺の前に置いた。
開けてみるとキラキラと光るダイヤのピアスがちょんとあった。
「誕生日おめでとう。忘れてなんかないよ」
「あ、りがとう」
静に対して照れくさくなって顔を背けてジュースを飲んだ。
付けてと言われてピアスホールにダイヤのピアスを通してみた。
「似合ってるよ」
「っ、恥ずかしい奴…」
あのピアスは高そうに見えたが、静にそんな余裕があったのか。
ジーッと見ていると、静の口角が上がった。ヤバいかもしれない。
「…僕が欲しいの?まだ明るいのに不謹慎だね、颯」
「ば、馬鹿!」
訳が分からないことを…!
「責任取ってあげる」
あ、また絆創膏をべったべたに貼るのか。
瞬時にそう思った。
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