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僕も被害者だっだが、橘も被害者に違いなかった。僕と一緒に居たために、犯人だと疑いをかけられる事になったのだ。
「橘…。色々と、すまないな」
「ううん。構わないの。片山さんが、そう言ってくれるだけで……あたしは好きでやってるんだし…。」
橘は、指をなくして立ち直れない僕のそばに、ずっと居てくれた。食事を作ってくれたり、本当によくしてくれた。僕は次第に、彼女を本気で好きになっていった。
僕の指が盗まれてから、事件に何も展開がないまま、数週間がたった。
「片山さん……見てください!」
橘がなぜか、新聞を持ってきた。それを見ると、僕は目を疑った。
―・―・―・―・―・―
指泥棒!?
音楽家ばかり狙う奇怪事件
今週だけでも指を盗まれた音楽家は10人を超す…。
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