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俺は家に帰ると 部屋に置いてあるカレンダーに来週の日曜日の予定を書きこみ 椅子にすわるとしばらく そのカレンダーを見ていた 『そっかぁ、もう雛ちゃんがいなくなって十三年か… あっという間だったな…』 俺はそんな事を考えているといつの間にか眠りの世界に落ちていた そして…夢をみた 懐かしい夢を 俺はある公園にいた 『あれ…ここって近所の公園だよな』 俺は辺りを見回すと 木の下で小さな子が泣いていた 俺はその子に近づくと 宏矢「え‼俺」 それは明らかに三歳の頃の俺だった 俺は思いきって話し掛けてみた 宏矢「どうしたんだよ?」 でも 宏矢(幼少)「ヒックヒック」 小さい俺は気付いていないのか ずっと泣いていた 俺は聞こえてなかったのかと思い何度かやってみたが やっぱりかわらずに小さな俺は泣いてばっかりだった 宏矢「もしかして…俺の姿見えてないのか」 俺がそう考えていると また何人か小さい子がの来て 俺の周りを囲んだ 「チビ」 「泣き虫」 「弱虫」 「お前、女みたいな顔してるけど本当は女なんじゃないの」 こんな言葉を投げ掛けられてるのに 俺は言い返さず泣きっぱなしだった 『思い出した俺、小さい頃は背も小さくて女みたいな顔してたから それが原因でよく近所の子にいじめられていたんだ っと言う事は…』 パン 頭を叩く音がして俺と小さな俺も顔をあげた 宏矢「雛ちゃん…」
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