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「私はリーネ・エルトバインと申します。この世界とは別の世界エルトバインから来ました」
上品な言葉遣いとその様子に自然と陽も畏まる。
「あ、私は神崎陽です。…って、あれ?名前も出身もエルトバインって…」
「リーネは異世界エルトバインのお姫様なんだ」
と言って二人の会話に入り込んできた一人の男子生徒。
「へぇ、そうなんですかぁ。…って、お姫様ぁ!?」
陽の驚きのベタさ具合は百点満点である。
「まぁ、普通そういう反応になるよな。あ、俺は浅羽和斗(アサバ カズト)。一応、リーネの世話焼いたり焼かれたりしてる」
男子生徒、浅羽和斗は自己紹介を兼ねてナチュラルに会話に馴染んできた。
「お、お姫様って、ほ、本当に?」
確かにリーネは姫というのに十分過ぎる程の高貴さを醸している。
だが、いきなり目の前にいる少女はお姫様です、と言われても信じられるものではない。
文字通りの半信半疑である。
「あぁ。特に証明出来る物は無いけど、この雰囲気で大体察してくれ」
という和斗の言葉と、その隣で笑顔を崩さないリーネの様子から陽は悟った。
「本当…みたいですね」
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