『転入初日の話』

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「気にしなくていいですよ。さっきも言った通り、ただのクラスメートとして接してください」 分け隔ての無い慈愛の心。 リーネはその中身も姫たるものに相応しかった。 「は、はい。分かりました、エルトバインさん」 陽の返事に多少表情を変えるリーネ。 「あの、もし良ければ、リーネと呼んでいただけませんか?」 やはり一国、否、一世界の名を冠するその名前はリーネ自身にもむず痒いもののようだ。 「あ、はい、リーネさん。それじゃあ、私も陽って呼んでくれませんか?」 こちらは神崎家の恥(翔)と同類項で纏められるのが嫌なだけである。 「はい。では、よろしくお願いしますね、陽さん」 「はい、リーネさん!」 一般市民とお姫様。 ここではそんなものは些細な事でしかない。 同じ学び舎の元に集まった仲間。 それだけで友達になれる。 モバロボ学園はそんな場所なのだ。
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