『転入初日の話』

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「ふぁーあ…」 とある町。 「眠ぅ…」 その中のとある家。 「……朝ご飯作らなきゃ…」 そこに住むとある少女の一日が始まった。 その少女、神崎陽(カンザキ ヨウ)はふらふらと居間に下りてテレビをつける。 表示されたテレビの画面右上の数字は“5:32”と表示されていた。 つまり、今は早朝5時32分だということだ。 「今日は…、卵使わないといけないなぁ…。目玉焼きか…、卵焼きも良いなぁ…」 冷蔵庫を探って朝食のレシピを考える陽。 どうやら卵を片付けたいようだ。 「ま、お兄ちゃんを起こすまでもう少し時間あるし、先に着替えよう」 と言って陽は再び自分の部屋に戻っていく。 『今日の星占い最下位は双子座のあなた!慣れない環境に戸惑ってトラブルが起きるかも。ラッキーカラーは赤色でーす』 陽には聞こえていなかったようだが、つけっぱなしのテレビの星占いは双子座である陽の先行きの不安を暗示していた。
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