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「すんませー…ん…」
玄関から慌てて飛び出した翔は目の前に立つ人物に目を丸くする。
すらっとした長い脚。
きゅっと締まったウエスト。
そして、一番目に止まったのが、その大きな胸である。
スーツの上からでも分かるその豊満な胸は誰もが魅了される素晴らしいものだった。
総じて見て、後ろに控える黒い光沢を放つ高級車もさることながら、その女性の気品溢れるその姿は知的美人と言って相違なかった。
「おはようございます、神崎理事長。私はあなたの補佐役と秘書を受け持つ森小路綾(モリコウジ アヤ)と申します」
整った顔立ちの美人、森小路綾は翔に一礼する。
だが、翔はその魅力、主に胸に釘付けになっており、まるで聞いていない。
「返事をしなさいっ!」
と、後ろから翔の頭を殴打する陽。
10秒程見入っていた翔を現実世界へ引き戻す。
「ぐへっ!何すんだよ!」
流石に翔も理不尽な暴力に納得がいかないようだ。
「何すんだよ、じゃないわよ!挨拶してくれてるんだから返事をしなさい!」
「え?…あ、そうか。えーっと、俺が神崎翔です。よ、よろしくお願いします」
美人に対する緊張で改まった態度を取る翔。
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