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「はい、よろしくお願いしますね」
綾は陽に目線を移した。
「その制服ということは…、あなたもモバロボ学園に?」
「あ、はい、妹の陽です。今日から学園に通わせてもらいます。兄がお世話になります」
陽は慌てて頭を下げる。
「こちらこそ。それと、もしよろしければ陽さんも一緒に私の車で学園までお送りしましょうか?まだ登校には少し早いですが…」
「いえ、お気持ちは嬉しいですけど、朝ご飯の片付けをしなければいけないので」
「そうですか。では、行きましょうか、理事長」
綾は翔に呼び掛けるが、翔は気付かない。
理事長としての自覚が無いので自分の事だと理解していないのだ。
「お兄ちゃん!」
「あ、俺か。そうだった、そうだった」
翔は車に乗り込む。
「それでは、また後ほど」
綾は再び陽に一礼して車に乗り込み、すぐさま車はモバロボ学園へ向けて走っていった。
「本当に大丈夫かなぁ…」
自分以上に心配な兄に一抹の不安を拭い切れない陽であった。
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