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「全く、迷惑だって分かんねぇかな…」
クラスメートの一人、空野晃太(ソラノ コウタ)がその様子を見て溜息をつく。
「何だか大変そう。晃太、助けてあげなよ」
同じようにその様子を快く思っていないクラスメートの少女、東成美(アズマ ナルミ)は晃太に救済を訴えかける。
「……仕方ねぇな…」
と、ゆっくり立ち上がる晃太の横を誰かが通った。
「失礼します。神崎さん、私とお話しませんか?」
ふわりとした雰囲気で陽に近付いてきたのは、異世界エルトバインのお姫様、リーネ・エルトバインである。
その本物のお姫様オーラは輩共を自然と引き下がらせた。
「え、あ、えっと…」
陽自身もそのオーラに目が眩む。
「そう緊張しないでください。私達ただのクラスメートなんですから」
「あ、はい」
“ただの”という言葉に多少引っ掛かる部分があったが、陽はやわらかなリーネの雰囲気に落ち着きを取り戻した。
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