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(俺は今…きっと幸せだ…。
例えその居場所が…、
アニキの傍じゃなかったとしても…)
綺麗なシーツ、
いい匂いのする広いベッド…、
ココ最近はずっと毎日来ている…。
「どうしたんですか?浮かない顔して…。」
少し笑みながら、
観月さんは俺を抱いた。
「何でも…ないです…。」
アニキの事考えてたとは言えない…
観月さんにはスゲー世話になってるし…
それ以前に
俺はもう観月さん無しじゃ生きていけない
「昨日も魘されていましたよ…僕の腕の中で悪夢を見るなんて、
どういうつもりですか?…」
いつもの仕草
前髪を巻きながら…皮肉る
でも怒っちゃ居ない
綺麗な顔で微笑んでる
そんな天使の顔に勝てるわけもなく、
俺はしどろもどろになってシーツにもぐる…。
「いけませんね…反抗期ですか?…これは御仕置きをしないと!」
抵抗は空しかった
俺はあっさりと観月さんの手に飲まれた
信じられないくらい
綺麗な体だ
真っ白で 良い匂いで
思わず目を閉じたくなるような…
目を閉じたところに
唇が触れる
(あぁ…幸せだ…。)
アニキに見てもらえなくても
もしも観月さんの愛が
偽りだったとしても…
俺はそれでいい
今はこうやって、
甘美に耽っていたい
此処には俺の居場所がある
俺を不二裕太として認めてくれる場所
俺を…不二裕太として愛してくれる人が居る
…
「観月さん…好きです…。」
…
「僕も貴方を愛してますよ…。」
…
純白のシーツに包まれる肢体
窓から刺す光に照らされ
肖像のように鮮明になる二人
絡められる舌
観月さんの舌はいつだって、刺の有る薔薇の味がする
でも
俺はソレがとても好きだ
(とても
好きだ…。)
【END】
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