プロローグ

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  「くっ……こうなったら実力行使だ」  家の中にいる人間に悟られぬように足を忍ばせながら中に入る。  バレたら終わりだと思え。  自分にそう言い聞かせ、ザッと家の構成を思い浮かべる。  俺が今現在いる場所は玄関。玄関はちょっと一般家庭のソレと同じくらいの大きさで、特にこれといって言うべきことはなにもない。  玄関の隣には階段があるが、二階に行ったところでなにも問題は解決しない。  布団の中でガクブル震えててもいいんだぜ? とか言われたらそうするかもしれんが。  俺が用があるのはその階段のところについてる物置みたいなところだ。  そこにさえたどり着いてしまえば、誰が何のために買ったのかわからん金属性のバットが……あるはずだ。  やつらの声は奥の部屋。この家の一階の約半分を占める大部屋だ。  そこに金属バットを持って追い払ってやる。  物置にあった金属バットを持ち、準備万端になった所で。  俺は今だキャッキャキャッキャ聞こえる部屋に乗り込んだ――。  
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