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「冗談だろ……?」
そういわざるを得ない状況だった。
俺が中に入って見たものは。
大人の女性が、どこかで見たことあるような、上半身裸の美少女に襲い掛かっていたところだった。
二人の女性の動きが止まる。俺の動きもついでに止まる。衝撃的すぎて手に持ったバットは床に落ち、金属音を鳴らせながらゆっくりと転がっていく――
……。
「……どちら様で?」
俺はどうにも納まらない頬を引き吊らせながら、二人の女性に質問した。
――
「いやぁいやぁ見ちゃったねぇ!」
大人の女性が大声で笑いながら俺の背中を叩いてくる。
どうやらこの女性の名前は、杏里さんということがわかった。
もう片方のどこかで見たことある女性の方は、床に落ちている服をかっさらい、ダッシュでこの部屋をでていってしまった。
「見ちゃったというより、見せられたなんですけどね……」
不法侵入とかそんなチャチなもんじゃねぇ、もっと恐ろしいものを見てしまった俺は、警察という凄く便利な立場を失ってしまった。
なんたって女の子のおっぱい!
いや、これ以上考えるのは止めておこう。
まずは、隣にいるこの女性をどうするか、だ。
「こまけぇこたぁいいんだよ」
「細かくないです。でてってください」
「ちっちぇえぇぇ女の裸見たくせにでてけなんてちっちぇええ」
ウザッ。
「杏里さんはただ出て行くだけでいいんです。簡単でしょ?」
「私のことは杏里ちゃんでいいよ? 私のことは杏里ちゃんと呼んでくれればいいよ?」
そんな自己紹介は誰も聞いていない杏里ちゃん。
そっと俺に寄りかかってくる女性を押しのけながら、どうやれば追い出せるかを考える。
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