プロローグ

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  「細かいこと気にしてたらいいオトコになれないよ?」  杏里さんが押してくる。  うちに盗まれて困るモノはあんまりないが、流石にテレビとかDVDプレーヤーとかカメラとか……いやむっちゃ困るやないか。  こりゃ駄目だな。 「すいませんけど、」 「おっぱい触らせてあげるよ?」 「なんですと!?」  ハッ。しまった。 「どう? いい条件だと思わない? そうだなぁ、一日10秒。思春期の男子には最高に喜びを覚えると思わない?」  思春期――俺は今まで一度も彼女なんてできたことないし、むしろ同年代の女子と話す機会すら全然ない。  それを……ここでそんな条件を持ってくるとはッ! 「クッ……」  ずつう が いたい。 「どう……?」  杏里さんは腕を組み、まるで見せつけるかのようにその豊富なおっぱいを持ち上げる。 「あ……ああ……」  それは――灰色の青春ってやつを今現在味わってる俺にこの条件は。  ちょっと、レベルが、高すぎた。  
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