プロローグ

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  「はぁ……俺はいったいなにを許可してしまっているのか」  つい魔が差してしまったのか、俺の心の悪魔が「監視つきならいいんじゃね?(迫真)」で許可してしまった。 「ありがとねー、お金はここに二人分置いてくから、心配してくれなくていいわよ?」  なんだか黒い笑顔を浮かべながら、机の上に封筒を置く杏里さん。  お金は諸事情により有り余ってるから別にいらないんだが――  二人分? 「……」  ドアの 隙間に 可愛い 女の子が こちらを 見つめてきている!  目と目があうその瞬間。  冷や汗が垂れる。  何故俺は忘れていたんだ。さっき見てしまったじゃないか。あの人のおっぱいを、お椀型の綺麗なおっぱいを。  肌が白かった。ウエストが細かった。  そして……形が整ったおっぱいを!  あれか? 十秒間のおっぱいパブの印象が強すぎたのか? 駄目人間だぞ俺。  どうする? どうすればいい? ここはハローか? それともアロハーか? いや挨拶はこの際どうでもいい。第一印象は多分最悪。    くっ……くそっ。どうしてこうなった! 「ああそういえば」  杏里さんが身を翻す。 「紹介するわ――彼女がもう一人の同居人、鈴香よ」  杏里さんが手を向けた先。  ゆっくりと扉が開きます。 「あ……私は高飛車系アイドル、鈴香よ! よろしくお願いしてもよくてよ!?」  それが、彼女の放った第一声であった。     
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