裁きの時

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男の人の腕の中には、温かい赤ちゃんの姿がありました。 男の人は、嬉し涙を浮かべながら隣のベッドで横になっている女の人に言いました。 「僕達、きっとこの子が大きくなるまでに幸せな世界を作ろうね。今より、ずっと」 「どうしたの? 貴方、そんなにロマンチックなこと堂々と言う人じゃなかったじゃない。ふふ、嬉しくて感極まっちゃった?」 男の人は、小さく首を振るとはっきりした声で言いました。 「……夢を、見ていたのかもしれない。でも、夢で終わらせちゃいけないんだ。僕達は、今よりずっと平和な世界を作らなくちゃいけない。この子の為に、僕達の為に、皆の為に」 「夢? ……ふふ、不思議な人ね、貴方。でも、賛成」 「……そう。約束、したんだもの」 END
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