~雨がもたらした君との出会い~

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…………………………… わたしは雨の中を 紅葉高校に向けて歩き続けている 右手には先ほどの男の子が渡してくれた 黒色の傘をさしている 今日が入学の日と言う事もあり 少しの不安を感じながらも歩く 周りには わたしと同じように少し不安げな表情を浮かべ まっさらな紅葉高校の制服を着ている生徒達の姿がちらほらと見える わたしは少し時間を気にしつつも 目の前に堂々と建っている 紅葉高校の姿を目に刻み込んでいた ここが3年間 多くの思い出をつくっていく場所なんだね 「お~い 早くしないと授業始まるぞ~」 ぼ~っとしていると 遠くから先生の声が聞こえてきた 「すみませーん 今すぐ行きまーす!!」 わたしは 先生にそう叫んで高校に走りだした わたしは少し先生に怒られたが無事に?紅葉高校の校門を通過して敷地の中に入る まずしなければいけないのは クラスを確認する事だろう わたしは 他の新入生が歩いていくのについていくと そこにはクラスの書かれた紙が掲示してあった しかし 紙の周りにはわたしと同じように 自分のクラスを探している人達で溢れていた しばらくして やっと名前が確認できる位置まで来る事ができた わたしの名前は5組のところに書いてあったのだけど 2組のところに気になる名前が書いてあった 井上 圭介 そこには 今わたしが持っている傘に書いてある名前と同じ名前が書いてあった その名前を見た瞬間 胸がドキッと弾んだ わたしはさっきから いったいどうしたのだろう? 自分に疑問を抱きつつも 2組に書かれている名前を見続けていた よし!! 後で2組に行こう わたしはそう決意し 今は自分の教室を目指して歩き始める 1-5 と書かれた教室の前まで到着し 少し息を整えて教室のドアをゆっくりと開けた ,
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