~厄介な友人 厄介な担任~

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俺は雨に濡れてビショビショの体を動かし1-2と書かれた教室のドアをゆっくりと開ける 開けた瞬間に クラスに既にいた奴らの視線が 水もしたたる良い男 の俺に突き刺ささる みんな 俺を見て呆然としている 大丈夫 みんなのその反応は普通だと思う 俺も入学の日にビショビショで水をポタポタと落としている奴が教室に入ってきたなら完全にドン引きするから 「皆さんおはようございまーす!! 水もしたたる良い男 の井上圭介が ビショビショでやってきました」 さあ笑え 大爆笑しろ そうしてくれないと俺は痛すぎる奴になってしまう 「………………」 …………俺は入学早々 痛すぎる奴としてみんなの脳みそにインプットされてしまったようだ 「キミ なんか顔 真っ青だけど もしかして便秘?」 便秘だと? なんか俺のこの状態を見て 女の声で有り得ない発言が聞こえてきた 俺は声がした方を確認するのだがそこには人間は確認できない 人間は存在しないのだが なんかマメみたいな パッと見 幼稚園児のような地球外生命体のオバサンの姿は発見できる 「幼稚園児は 幼稚園に戻らないと先生に怒られるよ?」 俺はできるだけ優しい声で 幼稚園児に言ってあげる やっぱり俺って優しいな 「わたしは アナタの担任の先生だよ 井上圭介君」 …………担任? あ~ 吉岡なつみ先生か~…………有り得ない 有り得ない 有り得ない こんなマメみたいな幼稚園児が担任な訳無い 俺は現実を受け入れる事が出来ず クラスのみんなの方を向き 「嘘だよね?」 と 問いかける みんなは俺の問いかけに一斉に頭を左右に動かす 「ベンピー君 これで分かったかな?」 ベンピー君? 井上圭介=ベンピー君? このマメミジンコドチビ教師め 何勝手に人権問題に発展しそうなあだ名をつけてるんだ ,
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