~厄介な友人 厄介な担任~

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「圭介ったら 流石はツンデレ星の王子様なんだから」 修斗がギャアギャア騒いでいるが 俺には頭痛促進剤の効果にしかならないので 頼むから静かにしてくれ みんなには分かっておいてもらいたいけど 俺はツンデレじゃないからね ガラガラ そんな時に クラスのドアが開かれる音がした それと同時に 静まり返る教室 「有り得ないぐらい綺麗なんだけど」 「嫁になってくれないかな」 「モデルみたい」 それからしばらくして 男子からはおかしな言葉が飛び出していた 修斗は 「天使降臨!! エンジェルきたー!!」 と 壊れたように騒ぎまくっていた 俺も一応 みんなが騒いでいる話題の人物を確認してみた 「あっ」 そこには 今朝俺が傘を押しつけた女の子の姿があった 彼女の姿を見た瞬間 再び心臓の鼓動が早まるのが分かった 嫌だ 何故彼女を見るとこんなにも心が痛いんだ 止まれ 止まれ 止まれ 俺は何度も自分に言い聞かせる 再び彼女を確認してみると 彼女は俺が見覚えのある黒い傘を握りしめながら 誰かを探しているみたいだった そして ふと彼女と目が合った 目が合った瞬間 俺に微笑む彼女 温かいな その瞬間 温かな光が俺に照らされた気がした 俺はゆっくりと立ち上がり 彼女の方に体を引きずりながら近づいて行く 教室全体は騒がしくなるがそんなの気にかける気力もない ただ彼女の方へ 俺は彼女が導く道を歩くように彼女に歩みを進める 目の前で見た彼女の姿は 今朝同様 女神のように見えた 彼女はゆっくりと口を開ける 「あの 朝はありがとうございました おかげで遅刻せずにすみました」 彼女はそう言って 傘を俺に渡してくる 俺はそれを受けとり 笑顔で 「遅刻しないで良かったね」 と言う その瞬間 急に視界が真っ暗になってしまった 遠くで彼女が俺に呼びかける声が聞こえた……… ,
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