~厄介な友人 厄介な担任~

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…………………………… 彼が 「遅刻しないで良かったね」 と わたしに言ってくれた瞬間 急に彼がその場で倒れてしまった 「大丈夫ですか?」 わたしは 必死に彼に声をかけるのだけど 彼から返事は返ってこない わたしは動揺からか 意味も無いのに泣き出してしまった わたしは弱い 目の前で倒れてしまった人がいるのに助け方の一つも思いつく事ができない そんな時 1人のかっこいい男の子が井上君に近づき 彼のオデコに手を当てる 「コイツ 凄い熱があるじゃん まあ 水ビショだったからしょうがないか」 水ビショ? ………きっとそれはわたしのせいだ 彼が自分の傘をわたしに貸してくれたせいで 彼は濡れて熱を出してしまったのだろう 「ごめんなさい ごめんなさい」 わたしの口からは 自然とそんな言葉がこぼれていた それを聞いた 目の前の男の子は笑顔を浮かべながら 「大丈夫 大丈夫 珍しいな 圭介はバカなのに風邪をひくなんて それよりも 圭介を保健室に連れていくから手伝ってくれない?」 彼の問いかけに もちろんわたしは了承する 井上君を男の子と一緒に運ぶ 男の子の名前は 田中修斗君 と言う事を運んでいる時に自己紹介してもらった わたしも田中君に自己紹介をすると 「じゃあ なっちゃんって呼ぶね~ よろしく~」 と いきなりあだ名までつけられてしまった ガラガラ 保健室のドアを開ける しかし そこには保健室の先生の姿は見えず ホワイトボードには キャサリン先生はお休みします の文字が わたしと田中君は その文字を見て苦笑いを浮かべるが 直ぐに気持ちを切り替えて井上君をベッドに運んだ ,
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