~厄介な友人 厄介な担任~

14/16
前へ
/144ページ
次へ
俺はそう言って起き上がる もうほとんど頭痛はしなかった その姿を見た修斗は 「あ~ ゲームおもしろかった」 と 言ってカバンを肩にかけて足早に帰って行った 修斗の頭には既に俺の存在は消えてしまったようだ 「………………」 修斗の行動に2人は静まり返る 気まずい…… 俺は案外人見知りなのでいきなり2人だけにされてしまうと 何を喋って良いのか分からなくなってしまう そんな時 彼女が口を開けた 「圭介君………田中君って変わってるね」 やっぱり彼女も 短い時間で修斗はおかしな奴と認識してしまったようだ 「アイツは昔からおかしいよ」 俺は苦笑いを浮かべて彼女に真実を伝える 彼女は驚い表情を浮かべて 「そうなの?」 と聞いてくる 「そうなんです」 俺が彼女の問いかけに答えると 彼女は声を漏らしながら笑ってくれた 彼女の笑いにつられて 俺までも声に出して笑ってしまった この出来事で彼女との距離が近づいたように感じた 俺達2人はそれから時間を忘れてしまうぐらいに互いの事について語り合った そのおかげで 彼女の俺に対する話し方はだいぶ堅さが取り除かれていた ふと窓の外を見ると 既に空は暗くなっていた 「ヤバいな もうすっかり暗くなっちまったな そろそろ帰らないと 奈木の親も心配すると思うし帰ろうか」 だいぶ奈木って呼ぶのに慣れたな 慣れって怖いな 切実にそう思った 奈木は俺の言葉に頷き 「本当だ~ 早く帰らないとお姉ちゃんが心配しちゃってるよ」 お姉ちゃん?親じゃなくてお姉ちゃん? 俺が彼女の言葉を理解するのはまだまだ先の話しである 俺は奈木と一緒に暗くなった道を歩く 俺達2人の歩く音が静かな道に響いていた しばらく歩いていると 彼女が俺に話しかけてきた ,
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加