~こんな奴だったとは~

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紅葉高校の中庭の端っこには古びたベンチが置いてあった そこは 生徒達からの人気は全く無かった 何故ならそこは 手入れが一切されておらず草木は自由に伸び 何よりニワトリ小屋が近くて 鳥の独特の匂いがしていたから そんなところに珍しく座る物好きな生徒達の姿を今日は見ることが出来た 少し彼らの様子を覗いてみよう 現在は昼休みである 俺は先日発見した雑草の楽園でコンビニで購入したおにぎりを食べている おかしな事に 両隣には美女とイケメンの姿が 「おい2人共 何故俺と一緒に昼飯を食いたいんだ?」 俺は多少のイラつきを感じながら2人に問いかける 修斗は 「親友だから それと俺がカッコ良すぎて クラスがパニックに陥ってしまうから」 と眩しい笑顔を浮かべて即答してきた 俺も一度は言ってみたいセリフを修斗は言ってきやがった 俺はハッキリ言って 顔のランクは並だろう しかも 悲しい事に並の並の並だ 平凡すぎて誰からも注目された記憶が無い 「修斗………お願いだから 顔の目と鼻の位置を逆にして下さい」 逆にしても 俺が修斗の顔に勝てるかは微妙だろう 「それでも お前よりはカッコ良いぞ」 クソ 事実だから反論できない 俺はこれ以上 自分が傷つく事を恐れて次に奈木に理由を聞く 奈木は あの夜の出来事が無かったかのように俺に接してきてくれた 俺は正直 あの事には触れて欲しく無かった だから彼女の対応には 正直ホットした あの日から 基本的には昼休みはこの3人で過ごす事が多くなっていた 「わたしは友達もちゃんと居るけど 圭介君から離れ無いって決めたから」 ストーカー? 彼女の言葉を聞き 真っ先に浮かんだのはこの言葉であった 奈木はすっかり 俺に慣れたのか 若干痛い部分も俺に向けてくるようになった ,
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