~こんな奴だったとは~

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「も~ わかったよ~」 修斗は不満げに俺から離れる いったいお前はどこに向かっているんだ? 俺は目の前にいるコイツの将来が少し心配になった 離れた修斗がいきなり俺に尋ねてきた 「圭介~ お前昨日1-5の 和田奈木さんと仲良くなれたのか? ちなみに彼女にはファンクラブが創設されたそうだぞ」 修斗の大きな声が教室に響き渡った その瞬間 さき程まで穏やかだった教室な殺気が溢れ出す 殺気は全て 男子のものであった そんな雰囲気を気にする様子も無く 修斗は話しを続ける 「なっちゃんから圭介君なんて呼ばれるなんて お前が羨ましいぞ」 殺気でだんだん息苦しくなってきた 修斗 頼むから話しを止めてくれー 本当に窒息死しそうだから 井上圭介 死因………クラスの男子からの殺気による窒息死 なんて惨めなんだ そんな生きるか死ぬかの状況の時に教室のドアが誰かに開かれた 「圭介君 今日学校に来ても大丈夫なの?」 そして 澄み切った声が俺に送られてきた ドアの付近には 周りの女子生徒が霞んで見えるぐらいに綺麗な女子生徒が立っていた その姿を見た瞬間に昨日の真剣な瞳を思い出し 少し体が震えた 俺は何故だか拒む心を推し進めて彼女に歩みより返事をする 「もう全然 大丈夫だよ これも昨日の奈木のおかげだな」 俺が彼女にそう言うと 奈木は小さく 「奈木だなんて」 と呟き 顔を真っ赤に染めている 周りのみんなは俺達2人がどう見えただろうか? 友達に見えただろうか? その事だけが心配だ 「やっぱり圭介君にはわたしが必要なんだね」 顔を真っ赤に染めている奈木が急にそんな事を言い出した え? なんかいきなり暴走しだしたんだけど……… 奈木ってこんな子だったの? 目の前で暴走している奈木に俺は苦笑いをするしかなかった ,
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