~雨がもたらした君との出会い~

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カーテンの隙間から朝日が漏れ 俺の顔を照らす 俺はいつの間にか眠っていたみたいだな 外からは鳥のさえずりが聞こえる 俺は眠たい目をこすりながら枕元においてある時計を確認する 時計の針は7時をさしていた 昨日の事があってか 何だか重たく感じる体を無理やり起こす 少しフラつきつつも朝食を作るために台所に向かう 冷蔵庫を開けると 冷たい冷気と共に まばらにしか食材が置いていない 寂しい光景が広がっていた 俺はその数少ない食材から適当な物を冷蔵庫から取り出す 今日はあるイベントがあり あまり時間が無いので すぐに作れる簡単なものを作りはじめる 「なんか寂しいな」 完成した料理を見た瞬間 そんな言葉が自然と口からもれた メニューは 米 味噌汁 サラダ と言うありきたりで何の面白みも無い料理であった 「いただきます」 俺はそう言って食べ始める 味は……味は……まあ 美味しい訳でも不味い訳でもない 平凡な味でした テレビをつけるといつもこの時間にやっている朝のニュース番組で天気予報をやっていた 俺が今住んでいるのは紅葉市と言うある程度は発展している都市である 予報によると 朝から雨が降るとの事なのだが カーテンからは目映いほどに日光が漏れており 雨など一切 降りそうでは無かった おっとすまない 俺の事を説明するのを忘れていたな 俺は 井上 圭介 どこにでも居そうな名前を親から与えられた奴だ 今は ある理由で実家からは遠く離れた この市で1人暮らしをしているんだ 朝食を終えて時間を確認してみると 7時40分を指していた え?なんでそんなに時間を確認しているのかって? それは 今日から俺の高校生活が始まるからだ 紅葉高校 は紅葉市で有名な私立高校で 文武両道で名のある有名大学に数多くの生徒を輩出している伝統ある高校である ,
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