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俺がそんな素晴らしい高校に簡単に入れる筈も無く ギリギリのラインで見事に合格する事が出来たんだ
流し台で先ほど使った多くの食器を簡単に洗い 寝巻きから制服へと着替え始める
俺の数少ない自慢できる事と言ったら早着替えであろう 俺は目にも止まらぬスピードで着替え終える 途中でネクタイで時間を喰ったがまあまあのタイムであろう
着替えも無事に済んだ俺は 机でカバンに今日必要なものを確認しながら入れ始める
机の上には写真立てが置いてあり そこには俺がある女の子と満面の笑顔で映っている写真が飾ってあった
美香……俺が本当に守りたくて 守れ無かった人だ
俺は彼女を失って写真に映っているような笑顔を出来なくなってしまった
家族や友人からは
「なんで そんなにつらそうに笑うの?」
と 言われた
笑顔って楽しい時に出るものだろ? じゃあ俺は何故つらそうなのだろうか?
それはきっと 隣に君が居ないからだ
望んでも戻らない 君とのあの日々を俺は今も求めてしまうんだ
「本当に俺は駄目だね」
自然と写真に写る彼女に話しかけていた
時刻もそろそろなので俺はカバンを肩にかけ
「行ってきます」
と 写真に語りかけアパートから出る
俺は一応 天気予報を信じて傘を手とり歩き始める
俺が住む アパート [アパート マルセイユ] は 高校から歩いて15分ぐらいにあるので場所的には最高の位置であろう そして何より気にいっているのは周りにひしめくコンビニパラダイスだ
俺は 朝飯は自炊するが昼の弁当までは 到底作る気にはなる事が出来ない
そんな昼飯に大いに俺を助けてくれるのが 周りを見渡すと建ち並んでいるコンビニたちである
俺は今日の気分で ベムリーマート と言う 少し名前のおかしいコンビニに立ち寄り おにぎりを購入する
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