~雨がもたらした君との出会い~

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「ありがとうございました」 コンビニの店員の元気な声を聞きながら店から出る 「あっ」 出てみると まあビックリ 先ほどまでは降って無かった雨が空から降っており 地面に染みを作っていた 「天気予報って凄いな」 今日 俺は一つ大きな事を学んだ それは 天気予報は当たる!! と言う事だ 俺は天気予報士に感心しつつも 事前に用意していた傘を広げる そして 雨の降る中を高校目指してゆっくりと歩き始めた 周りには カバンを頭上に掲げて濡れないように必死に無力な抵抗をするサラリーマンの姿や 雨宿りをしている人々の姿が俺の目には映っていた そんな時に 俺の目に ある女の子の姿が留まった 何故だか 君から目をそらす事が出来なかった これが 君との初めての出会いだった この先 俺に様々な宝物を授け 暗闇に目映いほど明るく そして優しい光を俺に浴びせてくれた 君との出会いだった………ねえ奈木 今だったら ハッキリと言えるよ 君に会えて良かった と 俺は吸い寄せられるように名前も知らない彼女の方へと向かう 彼女の姿を確認してみると俺と同じ高校の制服を着ており 傘を忘れてしまったのか建物の屋根があるところで雨宿りしているみたいだった 携帯で時間を確認してみると余り余裕が無かった たぶん 彼女を放っておくと遅刻は避けられないだろう まあ 俺は濡れても平気だからな 俺は空を見つめている彼女にゆっくりと近づき声をかける 「あの……」 俺は 少しためらいながら彼女に話しかけた 彼女は 空に向けていた視線を俺の方へと向ける 彼女の顔を見た瞬間 俺は息を呑んだ その時の彼女の顔が女神のようだったから 自然と心臓の鼓動が速くなっていくのが分かった 少女の可愛らしいと 大人の女性の美しさを併せ持つ彼女の顔は誰もが好意を抱くものだった ,
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