秋の空へ

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そして、気付くとかつての戦友と絆を深めたこの町を一望できる丘に来ていた。 弥生丸はその丘に登り、空を見上げた。 透き通った青に、薄く長く広がった雲…。 秋の空は吸い込まれる様に高い。 既に涙目でぼやけていたが、それだけは分かった。 「駱丸、お前の仇…しかととったぞ!」 そう言うと、この戦で溜まっていた疲れのせいか、ドサッとそのまま後ろに倒れた。 あぁ、やっぱりここは気持ちが良いな 大の字になった弥生丸は、少しにやけた表情で静かに目を閉じた…。 …しかし、次の日も、その次の日も、弥生丸の瞼が開く事はなかった…。 『完』
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