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あたし達はランチを済ませると海に来た。
3月半ばで気温がまだ低めなのも手伝い、人はほとんどいなかった。
二人で防波堤に座って海を眺める。
「大丈夫?寒くない?」
陸人があたしにくっついて座る。
「へーき!大丈夫」
まだ初めて会って24時間たってないけど、隣にいるのが自然な気がする。
何だか変な感覚だ。
暫く沈黙が続いた。
それを破ったのは陸人だった。
「さっき敬ちゃんと朝香が話してた時……俺の話してたよね」
聞いてたんだ。あの話だときっと入りずらかったんだろうけど。
「うん、初耳な話ばっかりだった。当たり前だけど」
「だよな!………つーか、ちょっと騙してた感があって後ろめたいんだけどさ」
そう言うと陸人はあたしの方をむいて、じっと見つめてきた。
「俺、…ずっと前から朝香が好きだった」
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