新しい恋

11/11
前へ
/212ページ
次へ
あたし達はランチを済ませると海に来た。 3月半ばで気温がまだ低めなのも手伝い、人はほとんどいなかった。 二人で防波堤に座って海を眺める。 「大丈夫?寒くない?」 陸人があたしにくっついて座る。 「へーき!大丈夫」 まだ初めて会って24時間たってないけど、隣にいるのが自然な気がする。 何だか変な感覚だ。 暫く沈黙が続いた。 それを破ったのは陸人だった。 「さっき敬ちゃんと朝香が話してた時……俺の話してたよね」 聞いてたんだ。あの話だときっと入りずらかったんだろうけど。 「うん、初耳な話ばっかりだった。当たり前だけど」 「だよな!………つーか、ちょっと騙してた感があって後ろめたいんだけどさ」 そう言うと陸人はあたしの方をむいて、じっと見つめてきた。 「俺、…ずっと前から朝香が好きだった」
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

224人が本棚に入れています
本棚に追加